週末なにしてますか?忙しいですか?霧子に夢中になってもらってもいいですか?
この投稿は 東京工業大学アイドルマスター研究会 Advent Calendar 2020(AdC2020) 13日目となります。
初めに
こんばんは。東京工業大学アイドルマスター研究会所属のやきさばです。
東工大で大学2年生やっていまして、先日地獄のような学生実験を終えて大変晴れやかな心持ちとなっております。全人類褒めてください。週4で実験し、4ヶ月で15万字くらいレポート書いたので無敵です。
アイマスに話を戻すと、主にシャニ、たまにミリって感じで遊んでいて、担当は幽谷霧子(シャニマス)、天空橋朋花(ミリオンライブ)の2人です。気分次第で篠宮可憐と水瀬伊織が加わります。本当言うと、担当は幽谷霧子だけです。担当概念難しすぎる。何コイツ葛藤してるの?って人はエルさんの記事を読んでみてください。ちなみに私の担当の定義は「プロデュースしたいと思うorプロデューサー視点で見れる対象」です、どうでもいいですね。
幽谷霧子、ご存じですか?
本記事ではタイトルにある通り霧子について書きますので、まずは彼女について簡単にまとめておきます。実験レポートで言うところの原理の章ですね。
ミステリアスな雰囲気を醸し出す銀髪の女の子。儚げな雰囲気とぐるぐると巻いた包帯が特徴的。口数は少ないが、心優しい性格。高校2年生。
出典:https://shinycolors.idolmaster.jp/idol/lantica/kiriko.html
少し補足すると、いかにもな見た目からヤンデレや薄幸キャラなどと思われがちですが、実際はそのようなこともなく、むしろ性格はポジティブな感じであり、また優しすぎるくらいに優しいです。見た目通り?のゴシック趣味の持ち主で、アンティーカのコンセプトはそこから来ていたり。
両親は共に医療関係に勤めており、家族で大学病院の寮で暮らしいる様子。本人も近くの病院でボランティア活動に勤しんでおり、共通コミュのW.I.N.G.編ではボランティア先の病院で霧子にお世話になった人らがライブに来るといった描写もあり、霧子が周囲から愛されていることも伺えます。
また、霧子の喋り方には、「ゼラニウムさん」や「痛いのさん」や「赤ちゃんさん」など、色々なものにさん付けをしたり、可愛らしい擬音語を口ずさんだりといった特徴があります。
ちなみにさん付けについては公式から明確なルールが存在する旨が明かされたこともあり、さまざまな考察がなされていますので、もし気になったらググってみるなり自分で予想してみるなりするといいかもしれません。
私的霧子コミュ5選
特定のコミュについてじっくり書くか、いくつかのコミュについて少しずつ触れていくか悩みましたが、まあ見出しにある通り、後者となりました。アイドルになって32週間余りで230万人ものファンを獲得し、W.I.N.G.もめでたく優勝した大人気アイドル幽谷霧子の、さまざまな面を紹介できればなと思います。(致命的なネタバレは控えたつもりです)
ちなみにフグさんのsSSRは未所持なので紹介できません。畜生……!
共通コミュ W.I.N.G.編 「わたしのしるし」
なんだかんだ言って、私はこの最初期のコミュがトップクラスに好きです。ざっくりあらすじを説明すると、ファッション誌の撮影中に霧子らしい写真を撮りたいという話になり、そこで霧子本人が包帯を見せる感じで撮ってもらうことを申し出る、といった感じ。
先ほどの霧子のイラストを見てわかる通り、包帯と絆創膏が額やら腕やら膝やらにありますね。これは実際に怪我をしており満身創痍、というわけではなく怪我や緊張を未然に防ぐお守りであったり、良くない部分を隠すためであったりという感じです。言わばコンプレックスを隠すものでしょうか。
そういった元々は後ろ向きなものであった包帯や絆創膏の意義、そして自分自身への評価が、アイドル活動を行ううちに変化していったというのを表現しているのがこのコミュです。
自分を変えるためにアイドルになった霧子が、包帯を見ても不気味がることなくすんなりと受け容れ、認めてくれるプロデューサーや仲間たちに出会い、変わらずともありのままを受け容れてもらえたことでより魅力的に成長を遂げた。そんな印象のコミュです。
【白・白・白・祈】 「そこにいますか、雪」
霧子のコミュだと「プロデューサーさんは……エビさん……ですから」のやつが一番有名なんじゃないでしょうか。これはずばりエビさんのやつのTrueコミュです。ビジュアルからしてもうお強い。
雰囲気9割で選びましたが、どうにも好きなのだから仕方ない。まあ真面目にお話すると、霧子の優しさとか世界観とか、あどけなさやら美しさやら芯の強さやら頑張り屋さんなところやら、とにかくそういった魅力が詰め込まれたコミュだと個人的には思っております。特別内容が深いというわけではないものの、感じさせられるものは多いということで雰囲気という言葉を用いましたが、じゃあ残りの1割は?と言われれば演出ですね。灯織の限定PSSRもそうですが、私はTrueコミュで一枚絵なり映像なりを挟まれるのに弱いのかもしれません。まああちらは別格感ありますが。
【我・思・君・思】 「かなかな」
通称デカルト霧子。エビさんに加え、こちらも多分よく知られているんじゃないかと思います。霧子のコミュが哲学っぽいと言われるのは、大体さん付け云々と【我・思・君・思】、【君・空・我・空】あたりが原因、のはず。まあ、ここでは難しいことはお話しません。浅学のにわかなのがすぐ露呈しそうなので……。
で、どうしてこのコミュを選んだのかですが、霧子の世界観がよく表されているからです。あそびがあまりなくあらすじが全容になりかねないので、あらすじは諦め概要を述べておくと、夢を見ているのか現実に起きているのか自分で区別はつかないということを入り口に、デカルトの「我思う、ゆえに我あり(Cogito ergo sum)」について咲耶と問いかけ合うお話です。
オタクは哲学やらが大体好きなので「我思う、ゆえに我あり」もなんとなくわかるかとは思いますが、要はこの世界、何が確かで何が確かでないか本気で疑い始めたら何もわからなくなっちゃったけど、まあわからんと思ってる私自身は確かだよねって感じだったはずです。カード名からしてオマージュであるのは間違いないですし、デカルトという名前も出てきているのでこれを前提にしてお話しますが、霧子は「我あり」に重きを置いていません。言わば「我思う、君思う」であり、霧子はデカルトと異なり、自身と他人を同等の確かなものとして扱っています。
そして、霧子が代わりに重きを置いているのは、自らの知覚するものの連続性だと思われます。咲耶やみんなが夢の中だろうと現実だろうと馴染み深い彼女らのままであることを望み、また夏についても同様です。要は、感じているものが確かかどうかに関心はなく、あるいは無条件に(強いて言うなら「嬉しい」という気持ちを裏付けとして)確かであるとした上で、どう感じたのかを重視しているのではないでしょうか。
コミュの最後の台詞である「デカルトさんも……おやすみ……」も、何が確かで何が確かでないか、何が現実で何が夢かというような葛藤を抱えることなく、眠って夢を見ても、あるいは起きて夢から覚めても大切な人が大切な人のままであることに喜びを感じていいんだよという霧子の優しさが感じられます。
余談ですが、このコミュが霧子の夢なのか現実なのかは解釈の分かれるところです。私? 私は「どっちでも……嬉しいな……」ってことであえて断言しないスタンスで。
共通コミュ G.R.A.D.編 「ふかふかでほかほかしたもの」
逆に選ばない理由がありますか? いやない。
今にも飢え死にしそうなねずみさんと、生きるには困らないがそれでもふかふかでほかほかしたパンが食べたいとりさんに、いぬさんが1つだけのふかふかでほかほかしたパンを、貰うにふさわしい方にあげるお話であり、怪我のせいでG.R.A.Dに出たくても出られないアイドルと、アイドル以外にも目指せる進路はあって、どうなりたいのかもまだ定まっていない霧子のお話。
W.I.N.G編でも勿論そうでしたが、G.R.A.D編ではより深く霧子の内面に迫った内容となっており、ぜひ一読していただきたいコミュです。致命的なネタバレの基準違いで既に被害食らった方もいるかもなので今更感ありますが、G.R.A.D編は流石に致命的なネタバレに当たると思うので、嫌な方は1つ次までスキップしてください。
W.I.N.G編やアンティーカの初期のコミュなどでは特にそういった描写が多いですが、霧子は他人に迷惑をかけることをひどく恐れています。例えば、オーディションの最中に他の人にダンス中腕が当たってしまわぬよう身振りが小さくなったり、他の人を驚かせないよう自己アピールでさえ大きな声を出さなかったり、過剰とも言えるほどです。そういった霧子の内面の極致が、上に載せたコミュの抜粋にはよく現れているかと思われます。
霧子が医者に憧れるのも、ふかふかでほかほかしたパンを巡る立場ではなく、つくる側になりたいという考えのもとです。もっと言えば、自分は生きるには困らない犬さんで、しかも「ふかふかでほかほかしたパン」を望む理由(資格とさえ言っていいかもしれません)がないのではないかと考えています。
ところで、怪我によってG.R.A.Dを断念したアイドルの少女は、実は霧子がG.R.A.Dで優勝する様を客席から見ていました。彼女は霧子のパフォーマンスに感動し、対抗意識を燃やしてリハビリに励んでいるようです。
彼女がリハビリに励めるのは、霧子が彼女に「ふかふかでほかほかしたパン」をつくり、あげたから。それを知って霧子は心から救われたのだろうと、そう思います。
ここのプロデューサーの言葉も良いですよねえ。いやもうただの感想になってしまうのですけれども。霧子の自己犠牲と言いますか、無私と言いますか、そういったものを尊重しながらもしっかりとこういう言葉をかけてあげられるのは流石シャニPだなあ。
G.R.A.D.の優勝そのものおよびその過程と結果両方から得られる霧子の内面の移ろいも勿論大切ではありますが、そこから少し視野を広げ、霧子がG.R.A.D.に出られなかった少女に希望を与えることができたというところに最後持っていくのが、すごいなあと思いました。
最後の最後のシーンである、最初の「ふかふかでほかほかしたパン」をくれたひとは……というのもちょー好きです。あとあと、G.R.A.D.編は全編通してシャニPのこれまでの奇行すべてを覆すほどの深い衝撃がありましたね。とてもミニカーをブンドドする人と同一人物とは思えない……。
【数・数・娘・娘】 「10のつぎ」
限定ですので一応ネタバレ注意と言っておきます。sSSRですしそんなに気にしなくてもいいのかもですが。
恋鐘に誘われて行った銭湯で霧子は、幼い頃お風呂で10数えた記憶が甦り、10のつぎ、すなわち11や100や1000などがあることを母に教えてもらったときの高揚も思い出した。そのことを母に話すと、「霧子の11は恋鐘ちゃんたち」なのだと霧子は気づかされるのだった。そして、後日レッスン終わりに今度はアンティーカ全員で銭湯に行くことを霧子は提案する。
あらすじはこんな感じでしょうか。幼い頃、10のつぎを教えてもらったときの世界が広がるような高揚を、恋鐘に誘われて銭湯について知ることができた歓び、アンティーカの皆との交流によって広がった世界そのものとリンクさせる、非常に良質なコミュですね。シャニマスくんは本当こういう何気ないワンシーンを掘り下げるのが上手い気がする。
冷たい風が気持ちいいこと、お風呂上りは特にそうであることを知れたのは、アンティーカのおかげ。ノスタルジーでは終わらない想いを感じさせられます。
終わりに
いかがだったでしょうか。ちょこっと頑張って書いてみました。
この記事を書くにあたり改めて霧子のコミュを一通り視聴しましたが、なんというか初心を思い出しましたね。当時の私は、霧子の見た目で堕ちて、声聴いて天に昇って、コミュ読んで沼に浸かりました。他にもオーディションBAD連打やったなあとか色々思い出されることはありますが、まあ私のことはどうでもよくて、本記事で誰かが霧子いいじゃんとかやっぱり霧子はかわいか~~とか感じてくだされば幸いです。
明日はひしもちくんの記事になります、お楽しみに!!
ディスカッション
「白・白・白・祈」のTrueはホント良いですよね。雪にさえ「偉い」と言ってあげられる霧子の優しさが五臓六腑に染み渡る。そしてシャニPが「それは霧子もだよ」って言ってくれるのが嬉しい。イラストの儚さも相まって、私もかなり好きです。
後は─霧子単独のシナリオではないですが─「ストーリー・ストーリー」の彼女の言動がことごとく素晴らしい。連続性、物語性を重視する彼女がああいった言葉を語るのはもう反則だろうと。
霧子は見た目の雰囲気が電波女っぽいけど、実態は裏腹に賢く、優しく、何よりカワイイんですよね。
来年発売される霧子ソロ曲が、そんな彼女の魅力をふんだんに詰め込んだ素敵な曲になることを願ってやみません。そしてそれを皮切りに、さらに多くの人が霧子Pになってくれればいいなと思いますね。